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第64号 2017年/10月号

曲げ角を有する推進管(さや管)への配管台車の開発

 この度、曲げ角を有する推進管内に使用する配管台車を開発しましたので、ご紹介します。
 地中送電線路は、都市部に構築されることが多く、掘削が困難な交通量が多い交差点や埋設物が輻輳している箇所では、推進工法が採用されます。通常、この推進管は、さや管として布設し、電力管は、推進管内に手配管や台車配管で布設します。

写真 台車配管状況 手配管は、作業員が推進管内で電力管を人力で1本ずつ配管していく工法であり、作業スペースが必要となることから推進径が大きくなり、総工事費では、高価になる場合があります。
 一方、台車配管は、推進管内にH型鋼などのガイドレールを設置したのち、立坑内でキャスターの付いた台車に電力管を固定し、一体化して推進管内に引入れ配管する工法です。九州電力鞄aの実績では、曲率半径R=60mまでの実績があります。この曲線部の電力管の配管は、直管を許容曲げ角1.5度以内となるよう配管するものです。

図 台車構造

 今回、計画線路において、既存のさや管を流用することとなりましたが、さや管は3度の折れ角を有している箇所が多数あり、通常の台車配管の方法は適用できず、折れ角部は開削によりさや管を撤去した後、曲管を配管する計画でした。しかし、当該箇所は線路に非常に近接しており、開削による線路への影響を極力少なくする目的で台車配管を適用するため、構造を検討することとなりました。
 そこで、ガイドレール及び配管する管の長さに着目し、3度の折れ角を有する箇所でも最終仕上がりの電力管を1.5度以内に配管する工法を実証試験も踏まえ、開発しました。
 具体的には、折れ角部にR形状のレールを設置し、電力管の管路長をL=500mmとすることで、管路の折れ角を1.5度以内となるようにしました。
 実証試験においては、折れ角3度となる曲点を有するΦ1200mmの管路を鋼管で模擬し、台車配管を行ないながら、管路継手や台車の挙動を確認しました。
 実証試験結果、電力管の継手部での曲げ角は1.5度未満であり、ずれ・抜け等は生じず、曲点を30回以上通過させた後の継手の状態も確認しましたが、スムーズに稼動していました。
 以上の結果から、3度の曲げ角を有する推進管においても、台車配管が可能であることがわかりました。

図 R形状のレール

図 配管割

台車イメージ 今回は、計画線路でのさや管内配管へ主眼をおいた試験でしたが、通常の急曲線推進管への適用も十分可能であると考えられるため、台車配管することにより推進径の縮小を行なうことができ、工事費削減に寄与できるものと考えます。
 なお、今回実証試験で開発した配管工法とガイドレールについては、褐I本鐵工所さまにて特許出願中です。
 今回の検討・開発に関し、ご協力頂いた 戸畑共同火力鰍ウま、九州電力鞄d力輸送技術センター地中基幹グループさま、褐I本鐵工所さま、関係各位に厚く御礼申し上げます。

図3 縦断図

(地中送電技術部)

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