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第50号 2012年/6月号

橋梁を改造しての電線共同溝計画

 福岡市の伊都区画整理事務所より受注しました電線類の地中化業務についてご紹介させて頂きます。

 現在福岡市では伊都土地区画整理事業を平成9年から平成25年まで実施しています。その事業の一つとして電線共同溝事業があり、当社もその計画のお手伝いを致しました。

 伊都地区は福岡市西部の新たな拠点として位置づけられ、「歴史や自然」「教育」「居住空間」の3拍子が揃った新しい街の理想像として整備が進められています。特に最近注目されていたのは九州大学の伊都キャンパスの移転です。平成31年の完全移転に向けて段階的に移転が進んでおり、その移転に合わせ平成17年にはJR九大学研都市駅も開業しました。その駅前周辺の地中化計画として福岡市住宅都市局様より発注された「伊都土地区画整理事業駅前線外電線共同溝設計」を当社が落札し設計を行いました。

 設計箇所は駅前道路の250mと河川横断1箇所、駅北線の河川横断1箇所です。

 当整備地区の電線共同溝計画では、2箇所の河川横断箇所があります。この河川横断を如何に通過させるかが今回業務のポイントとなりました。

 問題の河川は幅約10mで水道管が橋梁添架されています。

 そこで4案ほど比較検討を行いました。(1)橋梁添架案、(2)推進工法案、(3)専用橋案、(4)管路橋案、の4案です。

 (1)橋梁添架案は、添架管路が河川のHWLに抵触するため不採用、(2)推進工法案は線形が官地内に入り費用も一番高額になるため不採用、(3)専用橋案は管路の曲率半径の条件で専用橋幅が6.0m程必要となり、景観的にも管理的にも問題ありと判断し不採用、(4)最後に管路橋案が管路線形、工費、技術的に可能であったため、管路橋案で計画することとなりました。

 この管路橋というのはφ80〜φ150mmの鋼管を多条数束ねた構造で、九州電力殿では実績がありますが、電線共同溝ではあまり実績の少ない工法です。

 ただし、この管路橋案も問題が3つほどありました。(1)既設橋梁の改造が必要、(2)管路線形が厳しくなる、(3)既設水道管の支障です。

 (1)既設橋の改造は、管路橋を設置するスペースを確保するため、橋梁の隅切部分を撤去し地覆を復旧、その撤去したスペースに管路橋を設置する計画で進めました。

 そこで、橋梁を改造するにあたり、上部工・下部工の構造検討が必要となります。そのため、既設橋梁の設計書より隅切撤去時と管路橋布設時の橋梁への影響を照査し構造検討を行いました。結果、ほぼ影響ないということが判明しました。

 また、橋梁には熱伸縮に対応するため、伸縮装置が設置されていますが、この管路橋についても同様な伸縮装置を計画しなければなりません。しかし、通常の伸縮装置は鋼製のジョイントを埋め込むため、管路が地中に埋設されていると支障となり通常の伸縮装置は設置できません。そのため、鋼製の伸縮装置ではなく、特殊なシートとパネル、そして舗装を行うヘキサロック工法という工法を採用しました。この工法は、管路が埋設されていても問題なく施工でき、さらにジョイントが地表から出ないため、振動や騒音の解消という利点もあります。

 (2)管路線形は標準曲率半径10.0Rを基本に計画していますが、一部3.0R箇所も発生しました。そのため、道路管理者、電線管理者と協議を行い、引き入れ張力計算の結果を踏まえて張力・側圧共に問題ないことを確認した上で、計画を行いました。

 (3)既設の水道管φ300mmとφ100mmが支障になるため、福岡市水道局と協議を行い、支障となる水道管は一時撤去して頂き、管路橋完成後に別ルートで復旧する計画で対応して頂きました。

 橋梁を改造しての電線共同溝計画は当社でも初の試みであり、橋梁の知識と電線共同溝の知識を組み合わせての計画であったため、試行錯誤での計画でした。この経験を、今後の設計に役立てていければと考えています。

(地中技術部 係長)

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