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第40号 2009年/1月号

可搬型X線撮影装置を用いた電線点検について

 当社では、平成17年度から、関西電力(株)殿、(株)ジェイ・パワーシステムズ殿と三社共同で可搬型X線撮影装置を用いた電線点検について、研究開発を行ってきました。一部、実設備でも採用されるようになってきましたので概要について紹介したいと思います。

1.X線装置の概要

 可搬型X線装置を用いて、電線及び付属品(スリーブ・クランプ等電線を圧縮接続するもの)などにX線を照射することによってその透過量の違いから、内部を見ることができます。

2.X線撮影方式

 撮影は、フィルムの役割をするIP(イメージングプレート)を用いた方式と、フラットパネルを用いてパソコンに画像を直接取り込むPC方式があります。

(1)IP方式

 図1に示すように、X線を照射した電線の映像をIPに記憶する方式です。撮影したIPは、特殊機械を使用して、現像・デジタル化します。また、再利用が可能で、比較的安価です。その上、軽量で丈夫なため、鉄塔上での使用にも適しています。ただし、撮影結果をその場では見ることができません。

図1 X線撮影装置

(2)PC方式

 図2に示すようにX線照射した電線の映像をフラットパネルに取り込み、接続したパソコンに記録する方式です。このため、撮影した画像をパソコン上で瞬時にみることができます。また、IPと比べて感度が高く、細部まで表現することが可能です。しかし、フラットパネルが高価で衝撃に弱いため、電線等は地上に降ろして撮影を行うこととなります。鉄塔上での撮影が今後の課題でもあります。

図2 PCと連動したX線撮影装置の概要

3.劣化診断採用例

(1)付属品口元の素線切れ診断

 経年によって、付属品口元で電線素線の疲労破断が発生することがあります。この素線切れは、付属品のテーパ内部で発生するために、目視では発見できません。しかし、X線撮影した画像を解析処理することによって、内部で発生している素線切れを発見することができます。

図3 付属品口元のX線画像

(2)付属品内部の異常検知

 直線スリーブ等では、鋼心スリーブの偏心やアルミ線の挿入不足など、様々な要因によって劣化し、最悪断線にいたることがあります。そのため、スリーブの内部を可視化し、異常を検知するものです。

図4 付属品内部のX線画像

(3)電線内部腐食検知

 電線をX線で撮影して、図5に示すように新品と内部腐食した電線を比べるとX線画像に違いがでます。これを利用して、内部腐食を検知するものですが、まだ研究中であり、これから手法として確立させていく予定です。

図5 電線内部のX線画像

4.まとめ

 可搬型X線撮影装置を用いた電線点検は、少しずつ現場での受注が増えてきました。今後、さらなる受注と点検手法の確立を目指していきたいと思います。

(電力技術部 田中)

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