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第37号 2008年/1月号

森林バイオマスを利用した燃料及び熱供給事業化調査

 今年度、八女森林組合殿、球磨村森林組合殿と立花町殿から木質系バイオマスを利用した熱供給についての事業化可能性調査の委託を受けており、その事業内容について紹介します。

 これらの調査の背景には、「石油価格の高騰」「地球温暖化問題」、「未利用バイオマスの有効活用」などが挙げられます。

 地球温暖化問題は、最近テレビや新聞などのメディアで取り上げられることが多くなっており、皆さんもご存知だと思います。温暖化は、石油などの化石燃料を消費する際に発生する二酸化炭素が主な原因だと言われています。

 しかしながら石油は、私達の生活の中で、車の燃料や暖房用の燃料など様々な方法で消費され、無くてはならないものとなっています。その無くてはならない石油が、様々な要因により高騰しており、ガソリンや軽油、灯油などの燃料が急激に値上がりしています。ガソリンであれば、1リットル150円(平成18年12月現在)となっており、皆さんの生活にも大きく影響を及ぼしていることと思います。

 今回の調査事業の中で対象となっている温浴施設の多くは、A重油や灯油を燃料としたボイラーを施設内の源泉の加温や暖房に利用しています。燃料費が年間1,000万円以上掛かっている施設もあり、石油価格の高騰は、経営へ大きく影響を及ぼしています。入湯料金の値上げで対応している施設もありますが、中には閉館になった施設もあり、各施設では深刻な問題となっています。

 こうした背景の中、石油にとって代わるエネルギーへの転換が急務となっています。これらの問題を解決するために、今回の調査事業では、地域の未利用木質系バイオマスを石油の代替燃料として、近隣の温浴施設などの源泉の加温や暖房に利用ができるかどうかについての可能性調査を行っています。(下図)

説明図

林地残材の写真 燃料となる木質系バイオマスは森林組合が間伐などを行った際に林道などに発生する林地残材というものです。(左写真)

 これらは、建築材で利用する部分だけをとった後の木材の両端部分や曲がり材など、建築材として利用できないものです。現在そのまま林道などに放置されているため、大雨が降った際に流れ出し災害の原因になっています。

加工した木チップ この林地残材を燃料として利用するために、チッパーという機械でチップ状に加工します。チップは、2cm角で厚さ2mm程度のチップ状に加工することで、木チップボイラー用の燃料として利用することができます。
(右写真)

木チップボイラーの写真 木チップボイラーの原理は薪ストーブや薪で沸かす風呂と一緒で、木チップを燃やして、その発生した熱で水や空気を暖めるというものです。木チップボイラーには、チップを保管する貯蔵庫があり、そこに一週間程度の燃料となるチップを入れておき、後は自動でチップが供給されるシステムで、石油ボイラーと遜色なく利用されています。

 以上のような流れで、地球温暖化の原因である二酸化炭素の削減にも貢献できる、木質系バイオマスを燃料にしたボイラーが、温浴施設に導入が可能であるか、経済性やチップの安定供給について調査を進めております。

(環境エネルギー部 加藤主任)

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