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第34号 2007年/1月号

雷事故率の算定

 もともと頻繁に発生する業務ではありませんが、十一年ぶりに雷事故率算定業務を受注し、計算を行いました。
  雷事故率の算定は、しゃへい失敗や鉄塔逆閃絡などを電中研のソフトを用いて電算機で算定しています。
 その入力データの一つに、鉄塔雷撃時および径間雷撃時の電位上昇インピーダンスの算定があります。
 今回、電位上昇インピーダンスの算定は、第1図に示した鉄塔2基を模擬した等価回路から、第2図に示した従来手法の格子線図により求めました。

第1図 径間雷撃時の等価回路

回路図イメージ

第2図 径間中央雷撃時の格子線図

格子線図イメージ

 この手法は、鉄塔雷撃と径間雷撃、さらに鉄塔高、径間長などによって、作図が変わるため、都度作図が必要となります。
 ご存知のように雷サージは、雷撃点や塔頂、塔脚などの境界点で透過や反射を繰り返しながら減衰していきます。

第1表 格子線図計算結果の整理

h=87.2m,しゃへい角−2°,接地抵抗10Ω,S=390m
初期インピーダンス Zm=168.5Ω,a=0.85,α3=−0.818
格子線図記号 時間(μs) Zm(Ω) 電位上昇インピーダンス(Ω)
100 0.00 168.5  
-74.0 1.30 -124.7 109.5
  2.00   124.9
25.2a2α3 2.13 -25.1 116.8
7.5 2.60 12.6 81.6
1.5a4α32 2.96 0.9 56.9

よって、第1表に示したように雷撃後の第一波,第二波・・・、などを合成して電位上昇の最大値を求めています。
 最近の電位上昇インピーダンスの算定は、EMTPを用いて鉄塔雷撃および径間雷撃時の過渡現象計算を行い、その結果より算出しています。
 今後は、弊社でもEMTPを用いた手法も取り入れ、検討してゆく必要があると考えています。
 最後に雷事故率算定業務など、電気的な検討業務は、新設線路の建設が少なくなると共に減少していますが、電力系建設のコンサルタント会社である弊社は、これらの技術を常に保有しておく必要があり、技術力の継承と更なる向上を目指して、これからも頑張って行かねばと、この業務を通して痛感いたしました。

(電力技術部 安武次長)

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